自転車に乗っている人であれば一度は見たことがあると思うタイヤの空気を入れる場所、バルブと言われる部分です。
このバルブ、実は微量ですが空気漏れを起こしており、定期的な空気圧点検と共に必要に応じて交換が必要になります。
自転車の空気圧は以外に高く、普通自動車に比べ空気圧が低いママチャリで平均1.5倍、スポーツ自転車では平均3倍の空気圧が必要です。
これは自転車の場合、タイヤが細い割には大きな荷重がかかるからです。
パンクの原因の8割は、空気圧の低下によるものと言われています。
その空気圧低下の原因の一つにバルブの劣化やバルブネジの緩みによるエアー漏れがあります。
パンクを未然に防ぐには、定期的なエアーチェックと時にはバルブ交換が必要ですが、自転車には3種類のバルブがあり、それぞれ形状が違うので空気を入れるポンプも、それぞれの形状にあったものが必要ですし、バルブ交換も専用パーツが必要です。
今回は、自転車のバルブの種類と交換方法について解説していきます。
この記事を読むことで、普段の定期的なタイヤ空気圧のメンテナンスやタイヤがパンクした時に役に立つ知識が得られると思いますので、最後まで読んでもらえると幸いです。
バルブの種類
バルブは3種類(英式、米式、仏式)があり、それぞれバルブの口金の形状が違いますので、空気を補充する時に使うポンプも口金に合ったものでないと空気を入れることが出来ませんので気を付けてください。
また、メリットがあればデメリットもあります。
英式バルブ
英式バルブは別名、ウッズバルブ、ダンロップバルブ、イングリッシュバルブとも言われます。
自転車のバルブの中では、最も多く使用されているタイプで、主にシティサイクル(ママチャリ)や子供用自転車、軽快車などに使用されています。
構造上メンテナンス性が良く一般的に多く出回っている為、関連部品も手に入りやすく空気入れポンプのほとんどが英式に対応しています。
構造が簡単で扱いやすく虫ゴムというゴムチューブを弁として、加圧により虫ゴムが伸縮することで開閉します。
虫ゴムは劣化しやすく定期的にチェックし早めの交換が必要です。
空気が漏れやすい為、ロードバイクのような高圧な空気をいれる自転車には使用されません。
また、空気圧の調整が難しく減圧するにはバルブの袋ナットをゆるめることで空気が抜けますが、一気に抜けてしまいますので、厳密な空気圧管理が必要な自転車に採用されません。
英式バルブの一番の欠点は正確な空気圧が測れないことです。
これはゴムチューブが加圧することで開くという構造からです。
言い換えると加圧しないと弁が開かない、なので空気圧を測定出来ないということになります。
そんな英式バルブの欠点を改善する「スーパーバルブ」という部品が販売されています。
スーパーバルブとは
英式バルブの弱点である虫ゴムの劣化を改善したタイプで、英式バルブ本来の虫ゴムの部分をプランチャー式に変えたバルブコアで米式バルブと同じ構造にすることでレッカを防ぎ長持ちします。
ピストンのように動く可動弁によって虫ゴムの6倍長持ちします。
また、標準の英式バルブでは測定することが難しい空気圧の測定することが出来ます。
虫ゴムの劣化を回避して空気圧を測定出来るので、英式バルブを使用している自転車ユーザーにはパンクトラブルを大きく改善できるアイテムになるので、おすすめします。
米式バルブ
米式バルブは、シュレッターバルブやアメリカンバルブとも言われています。
大きな圧力がかかる自動車やバイク、自転車ではマウンテンバイクやクロスバイクを中心に使用されています。
虫ゴムを使うタイプではないので虫ゴム交換が無く、構造がしっかりしているのでバルブから空気が漏れるトラブルがなりにくいバルブです。
バルブ中央のヘソの部分を押すと簡単に空気を抜くことが出来るので、空気の調節が簡単に行えます。
英式バルブに比べ、口が大きいので手動のポンプで空気を入れる時、抵抗があまりなく空気を入れることが出来ます。
自動車やバイクと同じバルブなので、ガソリンスタンドで空気の入れることが出来ます。
仏式バルブ
仏式バルブは、プレスタバルブ、フレンチバルブとも言われています。
タイヤの細いロードバイクやスポーツ車に多く使われています。
高圧力に耐え、空気圧の調整がしやすく、細長い形なので細いタイヤに適しています。
微妙な空気圧調整や軽量化を求める自転車に適しているバルブです。
細長い形状なので、折れてしまうことがあるので、取り扱いには注意が必要です。
英式や米式よりも、関係部員や空気入れポンプの販売数が少ないので、入手しにくい場合があります。
バルブの交換方法
英式バルブ
英式バルブは構造が簡単で工具が無くても作業ができます。
まずは、上部のバルブキャップを外し袋ナットを回して外します。ナットを外すとバルブ内に金属ピンが刺さっているので、引き抜きます。
この時、タイヤ内の空気圧で金属ピンが飛び出す場合がありますので注意しましょう。
抜き出した金属ピンに写真のようにゴムチューブが被せてあります。引っ張れば外れるので、古いチューブを外します。
次に、新しいチューブを被せれば完了です。チューブが入りずらい時は、金属ピンを水で濡らすと入れやすくなります。
外した手順と逆に、ピンをしっかりと入れ袋ナットを締め規定の空気圧まで空気を入れれば作業終了です。
米式バルブ交換
米式バルブは、写真のような専用工具を使い交換します。
まずは、バルブキャップを外します。次に専用工具をバルブに刺し、時計と反対にまわすとバルブコアが外れます。
この時、バルブコアを外すと同時にタイヤの空気が出てくるので注意しましょう。
米式バルブは、バルブコアを交換するだけなので、新しいバルブコアを取り付け専用工具でしっかりと締め、規定の空気圧まで空気を入れると作業終了です。
仏式バルブ
仏式バルブは、専用工具またはラジオペンチなどで外すことができます。
まず、上部に付いているキャップを外します。次に専用工具またはラジオペンチを使い矢印(➡)部分を時計と反対に回すとバルブ内にあるバルブコアが出てきて外れます。
この時、タイヤ内の空気が出ますので注意してください。
新品のバルブコアをバルブに入れ、しっかりと締めれば交換作業は完了です。
後は適正量の空気を入れ、バルブから空気が漏れていなければ作業終了です。
仏式バルブは、交換出来ないタイプもありますので、注意しましょう。
まとめ
自転車のパンクの8割がタイヤの空気圧低下が原因と言われています。
その空気圧低下の原因の一つにバルブからのエアー漏れがあります。
虫ゴムの劣化やバルブネジの緩みが原因で空気圧が低下しパンクを引き起こします。
タイヤの空気圧やバルブは定期的に点検し、必要があればバルブコアや虫ゴムを交換しましょう。
特に、英式バルブは虫ゴムの劣化が早いので、早めの交換を心掛けましょう。
また、タイヤのパンクは気を付けていてもパンクしてしまう時があります。
そんな時に備えて対処方法についても考えておきましょう。
電動自転車などの重量のある自転車を日常的に使用している人であれば、ロードサービスに加入することも検討するのはどうでしょう。
最後までのお付き合いありがとうございました。
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