電動アシスト自転車に搭載されているバッテリーには寿命があり、使い方や充電回数などによって寿命の長さは大きく変わってきます。
この記事はこんな人に読んでほしい
・バッテリーの寿命を縮めない正しい使い方は?
・平均的な寿命はどれくらい?
・交換の目安は、ダメのなるとどうなるの?
など、疑問に思った人。
電動アシスト自転車のバッテリーは購入するとなると3~4万円する高価な物、消耗品とはいえ出来れば長く使用したいですよね。
使い方によっては寿命が短くなるなんて、損な話しありませんよね。
そこで今回はバッテリーの寿命を延ばすポイントを徹底解説、その後で交換の目安や交換する時の対応策などについて詳しく解説していきます。
バッテリーの基礎知識
電動アシスト自転車のバッテリーには、リチュームイオン電池とニッケル水素電池のどちらかが使用されていて、大半のバッテリーがリチュームイオン電池を使用しています。
この2種類のバッテリーにはそれぞれに特徴がありますが、ここでは一番多く使用されているリチュームイオン電池のメリット、デメリットを紹介します。
「リチュームイオン電池」
- メリット
リチュームイオン電池は、小型で大容量の電力を蓄えることが出来るのが特徴で、寿命も長い。
また、メモリー効果(継ぎ足し充電を繰り返すと性能が低下する現象)が無く、自己放電も少ない。
- デメリット
充電する時の電圧や電流をきちんと管理しないと危険なため、制御ICなどを必要とし取り扱いが難しいので、その分コストが高くなる。
身近な物だと携帯電話やモバイルバッテリーもリチュームイオンを使っている
そう言えば、ちょっと前に「モバイルバッテリーが燃えた」なんてニュースやってたワン。
そう、キチンと使用方法を守ったり、制御ICなどを使って制御しないと発火や爆発の危険があるんだよ。
経過時間と充電回数
リチュームイオン電池は一般的に使用期間が3~4年、充電回数が700~900回が交換時期の目安と言われています。このころになると電気容量が50%ぐらいしか回復しなくなります。
また、使用状況や気温、保管場所なども寿命が大きく影響します。
注意する点は、使用していなくても時間の経過と共に劣化が進み充電能力が低下します。
バッテリーの寿命は、充電しても電気容量が十分回復されない状態。使用期間や充電回数はあくまでも寿命の目安と言うことだワン。
充電回数も700~900回と大きく差があるように、使用状況などで変わるからね。
ところで、50%しか充電出来ないとアシストする力も弱くなるのか?ワン
電気容量が十分回復しなくても、アシストする力には影響はないよ。
航続距離が短くなるだけだよ。
バッテリーの容量の種類
電動アシスト自転車に搭載されているバッテリーは、電気容量違いで充電時間や航続距離などが違います。
バッテリーの容量 | 充電時間 | 航続距離 (パワーモード時) | 1回の充電代 (単価27円/kwh) | バッテリーのみの販売金額 (税込み参考価格) |
20.0Ah | 約8時間 | 約68km | 約18円 | 51,040円 |
16.0Ah | 約6時間 | 約59km | 約15円 | 45,650円 |
12.0Ah | 約4.5時間 | 約44km | 約11円 | 38,390円 |
8.0Ah | 約3.5時間 | 約30km | 約8円 | 34,650円 |
上記表は、パナソニックのバッテリーを比較した表になりますが同じ距離を走行する場合では、バッテリーの容量が大きいほうが充電回数が少なくて済みます。
バッテリーの容量が大きいほうが劣化の原因になる充電回数を減らすことができますが、大きくなるほど値段が高く、バッテリーも重くなり自転車自体の総重量も重くなりますので、自転車の使用している時に「重い」と感じる場合があるかもしれません。
電動アシスト自転車は平均19kg前後あるから、できるだけ軽くしたいし、
購入金額もできれば安くおさえたいのだワン。
やっぱりそこは、自分の使用にあったバッテリーを選べばいいと思うよ。
例えば、、、
一日12kmぐらい使用する人で、3日に1度の充電をすると考えると、
12km✖3日=36km
12Ahのバッテリーで約44km走行できるから十分ですよね。
充電回数も3日に1度で年間約122回なので、充電回数だけで考えると5年以上もつことになります。
ところで、表の「1kmあたりのコスト」ってなんだワン
あれ!バッテリー値段と充電コストだけで計算した時の費用。
例えば、20Ahのバッテリーを700回使用した場合
1回の充電18円✖充電回数700回=12,600円
1回の充電の走行距離68km✖充電回数700回=47,600km
バッテリーの値段51,040円+充電コスト12,600円=63,640円
63,640円÷47,600km=1.33円
1kmあたり1.33円かかる
これ、ガゾリンで例えると
ガソリン1Lあたり170円とすると
170円÷1.33円=127.8
つまり1Lで127.8km走ると言うことになるよね。
原付バイクの燃費は平均60km前後だから、
電動アシスト自転車すごいワン!
ちょっと余談になってしまったけど、こう考えると経済的だよね。
バッテリーの寿命を縮めない4つの方法
リチュームイオンバッテリーは、使い方や保管の方法などで、寿命が大きく変わってきます。バッテリーを長持ちさせるコツは、バッテリーが劣化する条件をなるべく避けることです。
過放電を避ける
リチュームイオンバッテリーは充電残量が0%に近い状態になると、そこから無理に放電しようとする過放電を起こします。
リチュームイオンバッテリーは過放電に弱く、劣化の原因になります。
また、反対に長時間充電残量を100%にすることも劣化の原因になるので気を付けましょう。
しばらく使わない場合は、バッテリー残量を50~80%ほど残した状態で保管し、3ヵ月に一度ぐらいは充電するといいよ。
高温や低温での使用や充電を避ける
リチュームイオンバッテリーは、低温での使用は能力が低下しパワー不足を感じることがあります。
寒い季節は、使用後にバッテリーを取外し室内で保管しましょう。
また、高温での保管も劣化の原因です。
高温になる熱い季節も寒い時同様に室内で保管しましょう。
バッテリーの室内保管は盗難防止にもなるのだワン。
そうだね。
それと駐輪場に止める時も、暑い日は出来れば直射日光があたらない場所を選んだほうがいいよ。
充電回数を減らす
バッテリーの充電は、10~100%も70~100%に充電するのも充電回数は1回です。
なるべくバッテリー残量を減らしてから充電するように心掛けましょう。
バッテリーの残量はアシスト自転車の液晶パネルでも確認できるし、バッテリー自体にインジケーターが付いているものもあるので確認できるよ。
乗り方もバッテリーを長持ちさせる重要なポイント
バッテリーを長持ちさせる乗り方ってなんだワン
バッテリーの消費を節約することで、充電回数を減らすことになるよね。
ポイントは3つ!
・タイヤの空気圧はこまめにチェック
タイヤ空気圧が下がっていると、抵抗が大きくなり走行するのに余計な力が必要になります。
・変速ギアを出来るだけ使おう
変速ギアを使いスピードに応じてギアチェンジすれば、バッテリーの消費を減らすことが出来ます。
・アシストモードは出来るだけECOモードを使う
これも同様、バッテリーの消費を減らすために心掛けましょう。
ただ、バッテリーの消費を減らすために大変な思いをするのでは本末転倒、
電動アシスト自転車を買った意味も無くなるよね。
そこは出来るだけ!
バッテリー交換の目安
バッテリーは劣化が徐々に進んで行くと1回の充電で走行できる距離が短くなってきます。「最近短くなったな」と感じたら交換時期が近いと考えていいでしょう。
バッテリーの劣化とアシスト力は関係ありません。
「最近アシスト力が弱くなった」と感じたらバッテリーでは無く、故障と考えたほうがいいよ。
最寄りの自転車ショップなどで点検してもらいましょう。
バッテリーによっては自己判断機能がついているものもあります。
これはバッテリー付いているインジケーターで確認することが出来ますので交換の目安にしましょう。
主要メーカーのバッテリーは、バッテリー診断機を置いている店舗で劣化状況を診断してもらうこともできるよ
バッテリー交換か?自転車交換か?
自転車本体の寿命は8~10年、バッテリーの寿命は3~4年です。
少なくても1回目はバッテリー交換で対応してもいいですが、2日目以降は自転車本体の状態を見て検討したほうがいいでしょう。
自転車本体の劣化は、前後のタイヤ交換やブレーキ、ワイヤーなどの部品の劣化、モーターユニットの交換となると高額な修理費用がかかります。
購入から8年以上経過している時は、最寄りの自転車ショップなどで点検をしてもらい、バッテリのみ交換するか自転車を買い換えるかは店員さんと相談して判断することをおすすめします。
バッテリー交換の選択肢
バッテリーの交換は、交換するバッテリーの種類により3つの方法にわけられます。
- 全く同じものに交換
現在使っているもので問題なければ型番を調べ、同じものと交換する。 - 代替えバッテリーに交換
生産終了などで同じものが手に入らない場合は、代替えバッテリーを探してみましょう。同じメーカーで適合するものを選ぶことをおすすめします。 - 容量の大きなバッテリーに交換
適合するバッテリーがあれば、電池容量の違うものに交換することもできます。
自転車やバッテリーの型番は、本体や付属の説明書などに記載されており、型番がわかれば、大手メーカーであればホームページにて交換用バッテリー、適合する容量の違うバッテリーを調べられます。
適合するバッテリーが見つからない場合は、ショップや各メーカーに問い合わせるといいよ。
バッテリーの処分方法
使用済みバッテリーは、資源ごみ扱いでリサイクルされます。各市町村では「処理困難物」に指定されていて、回収していない市町村がほとんどです。一度、お住まいの地域のゴミ回収情報を確認してみましょう。
- 自転車販売店に持ち込む
新しいバッテリーを購入した店舗にバッテリーの処分をお願いするとスムーズです。また電動アシスト自転車の取り扱いがあるお店なら、バッテリーの引き取りだけでも対応してくれるので、お店に問い合わせて見ましょう。大半は無料で引き取ってくれると思います。
- ネットの有料回収サービスを使う
ネットで不要バッテリーの回収サービスを利用する。有料ですが、自分で持っていく手間をかけたくない方には便利です。
- リサイクル協力店で回収
一般社団法人 JBRCに加盟するバッテリーリサイクル協力店へバッテリー回収の相談をしましょう。
まとめ
電動アシスト自転車のバッテリーの劣化は避けられません。また、交換となると大きな費用がかかります。
長く使用するためにも、劣化の原因になる使い方は出来るだけ避けて使用しましょう。
電動アシスト自転車自体は10年近く使うことができるので、少なくとも1~2回のバッテリー交換で電動アシスト自転車に乗り続けることができます。また、定期的に電動アシスト自転車を点検することで、快適に乗ることが出来る上、バッテリーの寿命を延ばす対策にもなりますので、自転車の定期点検も忘れずにしましょう。
今回は最後までお付き合いしていただき、ありがとうございます。
読みずらい箇所や意味の伝わりにくに部分があることをお詫び申します。
これからも、皆さんに読んでもらえるように努力していきますので、よろしくお願いいたします。
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