クロスバイクに乗っていて、立ち漕ぎなどペダルを強く漕いだ時「ガチャガチャ」とチェーンが滑る現象になったことがありませんか。
これは「歯とび」という現象で、スプロケットの刃先が摩耗しており、チェーンと嚙み合っていないために起きる現象です。こうなると、スプロケットの交換でしか解消できなくなります。
ただ、間違えやすいのがディレイラーのセッティングがズレていて同じような現象になることがあります。
「歯とび」の場合は、刃先の摩耗が原因なので同じ場所のギアだけで起こる場合が多いのです。
まずは刃先の摩耗状態や動作確認して、原因を明確にすることが大切です。
クロスバイクやロードバイクなどの自転車のリアのギアのことをスプロケットといい、SIMANO/Campagnolo/SRAMと3種類のメーカーがあるようです。
スプロケットの交換時期は走行距離で判断しますが、使用環境によって違いがありますので早めの交換をするといいと思います。
「歯とび」が起こるとチェーンなどの関連部品へのダメージやバランスを崩し思わぬ事故にもなりかねません。
一般的な交換のタイミングは、フロントギア(チェーンリング)は10,000km~20,000km程度、リアギア(スプロケット)は30,000km程度が目安とされ、チェーンの寿命も走行距離3000~5000km前後と言われています。
スプロケットを交換する際は、せっかくなのでチェーン交換もする方が良さそうですね。
今回のスプロケットの交換は多くのクロスバイクに採用されている「シマノ」のスプロケットの交換方法について解説します。
1度交換して構造さえ分かっていれば作業時間10分程度で簡単に交換できるので挑戦してみてください。
ただし、「ギアの段数を替える」「歯の数を替える」など現在付いているギアと違うギアを付けるとなると、ディレイラーの交換やチェーンの交換、適合の確認などが必要になるので注意してください。
まずはスプロケットの種類について
スプロケットの交換は同じ物を選ぶことが無難!
スプロケットのは「ギアの枚数」や「歯の数」などの種類があるが、適合するかを確認する必要があり少し難しい部分があるので、今付いているスプロケットと同じ物を選ぶことが無難のようだ。
なので、まずは付いているスプロケットを確認する必要がある
確認することはメーカー、段数、歯の数ですが、型番が分かると簡単です。
型番が分からず歯の数を確認する時は各ギアに写真のように刻印があります。
確認したい点はスプロケットの種類
スプロケットには、カセットスプロケットとボスフリーと言われる2種類があり、現在クロスバイクで使用されているのは6~7段ギアはボスフリーで7~11段ギアはカセットスプロケットが使われているようだが、念のため現在付いているスプロケットを見て確認しておこう。
確認方法は、この2種類のスプロケットの違いは「フリー機構」が付いている位置。
「フリー機構」とはペダルを漕がない時に「カリカリ」とタイヤだけ回転している機構のことで、あの機構がギア側に付いているかタイヤ側に付いているかの違い。
付いているスプロケットを見るとわかる。
☑️カセットスプロケット:
カセットスプロケットは歯だけで構成されており、フリー機構の回転体が中心部分に付いていないギアこと。
見た目には分かりずらいが、外すとギアだけで中心部分にフリー機構が付いていないことがわかります。
また、タイヤ側にもギアをセットする「フリーボディ」と言われる大きな凸凹した軸が付いている。
☑️ボスフリー:
「ギア+フリー機構」が一体化されたスプロケットで,現在のスポーツバイクではあまり見る機会がなくなった6~7速用として使用されているスプロケットです。
ボスフリーはスプロケットの中心にベアリングが付いているのが見える物で、もしこのタイプのギアであればいくつか種類があるようなので注意が必要です。
チェーンの交換も
スプロケットを交換する時はチェーンも一緒に交換するといいです。
一般的にチェーンの寿命は、走行距離3000km〜5000kmとされています。 クロスバイクの一般的な使われ方であれば、2年程度が目安になりますが、乗り方や走行距離よって異なります
また、チェーンにも種類があるので注意しよう
参考に
シマノのフリーボディには3種類の規格があり、現行規格では
・HG Spline L(8〜11速、一部12速)
・HG Spline M(8〜10速)
・Micro Spline(12速)
以上のような規格があり、HG Spline MとHG Spline Lは幅が違うだけで互換性がありますが、Micro Splineは構造がHG Splineと違うため互換性がありません。
シマノの8速スプロケットは、シマノの8〜10速向けフリーボディで「HG Spline M」という規格で作られています。
なお、HG Spline L(シマノフリー・11速)でシマノの8速スプロケットを使用する場合は、幅が違うためスペーサーが必要です。
・OLDエンド幅
OLDエンド幅という言葉をたまに耳にしますが、OLDエンド幅とは、簡単に言えばホイールの幅で自転車の車輪が付く場所のフレームの幅のことを指しています。
シマノのカタログではO.L.D(オーバーロックナット寸法)という表記で公開されていたりします。
OLDエンド幅は自転車によって異なり、クロスバイクでは130、135mmが一般的に使用されています。
今回のスプロケット交換には、あまり関係がありませんが、シマノの商品説明に表記されている時がありますので説明しておきます。
SIMANO8速スプロケットの種類と性能
今回は最も使用されているシマノ8速スプロケットについて解説します。
シマノの8速スプロケットは、ロード・MTB・クロスバイクで共用の部品です。
8速スプロケットには6種類があり
・CS-HG31 11-30T / 11-32T /11-34T
・CS-HG41 11-30T / 11-32T
・CS-HG51 11-28T / 11-30T / 11-32T
・CS-HG200 12-32T
・CS-HG400 11-40T
・CS-HG50 11-28T/11-30T/11-32T/11-34T/12-25T/ 13-26T
この中でHG50のみロード系でそれ以外はMTB系です。
系統は分かれますが、どちらを選んでも問題ありません。
また、これら6種類の違いはグレードの違いで下からハイグレードになりますが、重量や耐久性の違いで変速性能の違いはないということです。
スプロケットを選ぶ際は、好みのギアの組み合わせで選ぶといいでしょう。
ただ、今付いているスプロケットからトップとローギアを変更する場合はディレイラーの交換をしなければならない可能性があるので注意が必要です。
必要な工具
交換に必要な工具は、ロックリングリムーバー・フリーホイールリムーバー・モンキーレンチです。
自分はモンキーレンチではなくボックスレンチを使用しました、ロックリングリムーバーを回せる工具であればモンキーレンチ以外でもいいです。
はじめて自転車の特殊工具を購入する人は、とりあえずセットの安い工具でも大丈夫です。
自分も実際にセット工具を購入して使用しています。
ちょっと使いずらい部分もありますが、後で使用頻度が高い必要な工具を少しづつ集めていけばいいと思います。
モンキーレンチはどんな大きさのネジも回せるので、あると便利ですよね。
なぜモンキーレンチと言うかというと、諸説ありますがモンキー(MONKEY)とは工具の頭部の形が猿の横顔に似ていることからその名がついたという説が有力だそうです。
似てます?見えないけど。
スプロケット交換手順
まずはホイールを車体から外し、シャフトを抜いておきます
- ロックリングを外す
フリーホイールリムーバーを差し込みモンキーレンチで、写真のようにスプロケットリムーバーとフリーホイールリムーバーを逆方向に回転させます。
外す時はロックリングをダメにしないように、少しづつ力をかけて作業しましょう。
ネジを外す方向は、普通のネジと同様で反時計回りです。
また、後で取り付ける時に分かるようにロックリングはどれくらいの力で閉まっていたか確認しておきましょう。
- スプロケットを抜く
私は今回シングルギアからの交換でしたので、写真のようにギア1枚とスペーサーが入っています。
スプロケットは大半が一体化していて、ギア1枚1枚ではなく束になっています。
- フリーボディを清掃する
パーツクリナーなどでフリーボディの汚れを落とします。
せっかくなので清掃もしておきましょう、ホイールのベアリングが違和感なく回るかもチェックしておくといいですよ。
- 新しいスプロケットをセットする
スプロケットのスペーサーなどの順番を間違えないようにして、フリーボディの溝に合せて入れていきます。
スプロケットがしっかり奥まで入っているか確認してください。
今回8段ギアを装着しましたが、フリーボディよりスプロケットの方が少し出る感じでした。
- ロックリングを締める
締める時はフリーホイールリムーバーだけでスプロケットリムーバーが無くても締めることができます。
またロックリングは最初に手で回せるところまで入れます、これはネジ山をダメにすることを防止するためです。
ロックリングは本当はトルクレンチでしめるのですが、ロックリングに緩まないようにギザギザが付いていますし、ネジ山をダメにしないように体重をかけず外した時と同じぐらいの力で締めておけば大丈夫です。
- 緩みやガタツキがないか確認
最後にしっかりとスプロケットがセットされているか確認しましょう。
後は車体に取り付けてチェーン交換をする人はチェーン交換作業をしましょう。
- 最後に動作確認をして作業終了
最後にタイヤを空転させてギアチェンジがスムーズにできるか確認して終了です。
まとめ
クロスバイクのスプロケットは同じ物を交換取り付けるのであれば、そんなに難しいことではありません。
ただ、歯段数やギアの枚数が異なるギアを取り付ける場合は、相互性を調べる必要があり、ちょっとややこしい部分があります。
私はシングルギアからフロント3段、リア8段ギアに変更しました。
正直、間違ったディレーラーを買ったり、取り外しに苦戦したり、何よりセッティングに一か月以上かかりました。
でも、今では快適にサイクリングを楽しんでいます。
自分にあったギアの組み合わせにも挑戦してみてください。
それらの関連記事も追って記載したいと思っています。
今後ともよろしくお願いいたします。
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