自動車を中心に人気が高まっているマット塗装、一部の高級外車や国産車でも純正色として販売するようになりました。
自転車でもマット塗装は人気が出始め、ブラックやグレーのマット塗装の自転車を町で見かけるようになりました。
そんなマット塗装ですが、少し取り扱いには気を使わなければならない点がありネットで見つけたユーザーの声は、
・キズが目立つ
・汚れが付くと落ちにくい
・ちょっとこすると、艶がでたり白くなる
など、取り扱いに苦戦する声が聞こえてきます。
今回はマットブラックの自転車をどこの家にもありそうな物で洗車してみました。
専用のケミカル剤を使って洗車する投稿はありますが、身近にある物で洗車して投稿はないので実際どうなのか試してみました。
その洗車の様子を解説していきます。
今回、記事を書く私は、自動車コーティング業界を含む自動車関係に8年勤務後、カメラや自動車部品の塗装業で15年働きコーティングや塗装にはちょっと詳しい私が、自分でマットブラックに塗装した自転車を洗車した様子を解説します。
ちなみに、マットブラック塗装した様子はこちらの記事を見てください。
マット(つや消し)塗装の仕組み
見た目がカッコいいマット塗装、そもそもあのマット感はどうして生まれるのか?
ざっくり言うと塗装表面が凸凹だから。
一般的なグロス(艶あり)塗装は塗装表面をクリア塗装をしたり、磨きをして表面が平な為、一定方向に光が反射して光沢があるように見えます。
反対にマット塗装はクリア塗装や磨き作業を行わず、わざと表面を凸凹にしておくことによって光が乱反射して艶消し感を出しています。
なので、マットな塗装面にクリアを塗装すると表面が平になり、当然マットではなくなりますし、服やハード洗車などで凹凸がなくなったり、油分を含む汚れが入り込んだりすると光を乱反射しなくなり光沢があるように見えてしまいます。
以上のことからマット塗装は
・ワックスなどの油脂分は艶ででるのでNG
・キズが付きやすく直しずらい
・表面が凸凹している為、汚れがひっかかり付きやすい
・汚れが落ちないからとゴシゴシ洗車すると光沢が出来たり、キズが白く浮き出る
・服や物がこすり続けると艶が出てしまう
こんなデメリットを持った、扱いがちょっとやっかいな塗装です。
汚れる原因は塗装に
マット塗装は汚れやすい、では何故、汚れやすいかというと汚れる原因は実は表面の凸凹に汚れが引っかかるから。
自動車の新車を購入したことがある人なら感じたことがあるかもしれませんが、車で例えると新車のうちはあまり汚れが気になりませんが、だんだん年数が経過するに連れて艶がなくなり汚れが目立つようになり洗車の回数が増えていきます。
これは新車時はツルツルだった塗装表面が洗車などで付いたキズや鉄粉などの浮遊物の付着などにより塗装表面が凸凹になったことが原因です。
車のコーティング加工ってよく目にしますよね。
あのコーティング加工を専門業者に依頼すると中古車の場合、「鏡面仕上げ」と言って塗装表面を磨き機械で汚れやキズを落とし鏡のような表面にしてからコーティング剤を塗ります。
これは凸凹している表面にコーティング剤を塗っても汚れやすく、艶がなくコーティング剤が剥がれやすくなってしまうからです。
どんな塗装面も汚れやすい原因は表面の凸凹という事。また、付いた汚れをほっておくと凸凹している分、固着して落ちなくなっていまいます。
でも、この凸凹がなくなるとマットではなくなることも事実。
なので、マット塗装はこまめ洗車するしか方法がありません。
どこにでもある物で洗車してみた
今回は専用のケミカル用品ではなく、どこの家にもありそうな普段私が車を洗う時に使っている道具を使って洗車してみました。また、ついでなので一緒にチェーンやギアのグリスアップもやりました。
・使った道具
・小さいスポンジ | ・車用洗車ブラシ | ・食器洗い用中性洗剤 | ・タオル | ・CRC |
・パーツクリーナー | ・車用水垢落とし | ・コロナで使った消毒液 | ・ウエス | ・グリス |
洗車する時に気を付けたことは、「とにかく優しく洗う事」と「水をかけながら洗う」こと。
「水をかけながら洗う」?理由は2つ
・塗装面とスポンジやブラシの間に水の層を作り摩擦で付くキズを避ける
・落とした汚れや小石がスポンジやブラシし入り込むとキズの原因を作るので避ける
これは自分が自動車のコーティング業界で働いていた時に習った方法で、ちょっとしたことですが違います。また、洗剤は強い洗浄効果がある専用洗剤ではなく、食器用洗剤をオススメします。
食器用洗剤は、中性で油汚れを落とし塗装面にも優しいのでデリケートなマット塗装に最適だと思います。
・砂利やホコリを落とす
まず、出来るだけ隅に入った小石や付着した汚れを流すことを意識して、たっぷり水をかけます。
・パーツクリナーで油を落とす
今回はグリスアップもしますで、ここでパーツクリナーでチェーンやギアの古いグリスを落とします。
この時、周りに落としたグリスが飛び散りますが、後で洗車する時に落とすことができますので、あまり気にしないで大丈夫です。また、パーツクリナーは油落としにとっても便利なアイテムです。自転車や自動車のメンテナンスに活躍します。一本300~400円ぐらいでホームセンターなどでも購入出来ますのであると便利ですよ。
意外とすぐに使い切りますので、自分はまとめてネットで購入して常時4本くらいはストックしています。
ちなみに今回も1本使い切りました。
・洗剤で洗車
次に洗車です。
最初は水を掛けながら優しく洗浄していきます。細かい場所はブラシで洗浄します。
一度洗い終わったら、もう一度今度は水を掛けながらではなく、油を落とす気持ちで洗います。
洗剤を流し終わったら、自転車を軽くバウンドさせて水気を切ります。その後でタオルでふき取りました。
・ワックスでキズやシミを落としてみる
洗浄後よく見ると、やはり落ちないキズやシミがありました。
白くなっている箇所がキズ、丸い跡が油シミのようです。
なので、思い切って車の水垢落としで、軽く撫でるようにこすってみました。
ちょっと艶が出てしまいましたが、キズやシミは消えたようです。
コロナで使った消毒液(エタノール)で油分を取る
せっかくのマットブラックなのに艶が上がってしまっては台無しです。
思い切って消毒液をウエスに染み込ませ軽く拭いてみました結果、大成功!
すっかり艶も消え綺麗なマットブラックに、、、、
一番汚れるスレーム下も、すっかり綺麗になりました。
洗車作業は終了です。
・グリスアップする
最後に飛び散らないようにウエスでカバーしながらグリスをスプレーして、余分なグリスを軽くふき取り作業終了。
お疲れさまでした。
ポリマコーティング(バリアコート)
知り合いの自転車ショップでバリアコートをすすめられました。
突然のことで写真を撮ることが出来ませんでしたが、バリアコートを塗ると高級感がある深いマットブラックになりました。
使い方は簡単、ウエスにバリアコートを吹き付け塗り広げて、最後に乾いたウエスで拭き上げるだけ。
バリアコートを塗ることで、汚れが付きにくく綺麗な状態を長持ちさせることが出来ます。
また、説明にはクリーニングとコーティング効果と書いてありますがクリーニング効果は、ほとんど無く洗車後に使用することをオススメします。
バリアコートを使用した記事は機会があれば後日アップします。
まとめ
マット塗装は特殊な塗装で取り扱いに注意しなければならないデリケートな塗装です。
・キズが付きやすい
・油分はNG
・汚れやすい
・ゴシゴシ洗えない
などのデメリットがあります。また、普段の取り扱いの注意点として極力マット部分(フレーム部分)には触らない、どうしても触る時は油分やキズに注意して触るように気を付けています。
扱いにちょっと注意が必要なマット塗装ですが、こまめにポイントを押さえて洗車をすれば綺麗な状態を保つことが出来ます。
今回は家にある物で洗車やメンテナンスをしましたが、今後落ちないキズや汚れが出てきて専用のケミカル用品が必要になるかもしれません。
その時は、またその様子を投稿します。
最後までお付き合いありがとうございました。
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