新たな移動手段として注目をされている電動キックボード。
街中や観光地などの移動手段として気軽る乗ることができ、小回りが効くことから普段使いとして購入を検討する人が増えています。
日本では電動キックボードは原動機付自転車に分類され、公道を走行する時は保安部品を装備してナンバープレートを取得し、運転免許証が必要でした。
しかし、法改正により新たに「特定小型原動機付自転車」という区分が追加されて、これに該当する電動キックボードは運転免許証が無くても公道を走行することができるようになりました。
以上のことから電動キックボードは2つの種類に分けることができます。
そして電動キックボードで公道を走行するには
「保険に入いった方がいいの?」
「保険って、どんな保険があるの?」
「もし加入するとすれば、保険の内容は?」
というような、お悩みをおもちではないですか?
今回は、この2種類の電動キックボードの保険について解説していきたいと思います。
保険の話しに入る前に、まだナンバープレートを取得していない人はこちらの記事を参考にしてください。
電動キックボードには2つの種類がある
2つの種類って、どういうこと?
日本の道路交通法では令和5年7月1日から一部改正する法律より、特定小型原動機付自転車という新しい区分が設けられました。
この特定小型原動機付自転車とは電動キックボードのうち、以下の性能をクリアするものが該当します。
【車体の大きさ】
長さ: 190センチメートル以下 幅 : 60センチメートル以下
【車体の構造】
- 原動機が定格出力が0.60キロワット以下の電動機であること。
- 時速20キロメートルを超える速度を出すことができないこと。
- 走行中に最高速度の設定を変更することができないこと。
- AT機構がとられていること。
- 道路運送車両の保安基準第66条の17に規定する最高速度表示灯が備えられていること。
また、運転条件も従来の原付とは異なり以下のような条件が定められました。
・運転免許が不要となる
・自転車道・路側帯の通行が可能になる
・条件付きで歩道の通行も認められる
注目したい点が「最高速度が20km/h以下」であること「最高速度表示灯が備えられていること」という2点です。
この2点が今までの電動キックボードと大きく違う点です。
上記の条件をクリアしない車両については、今までどうり 原動機付自転車と同じ扱いになります。
このように電動キックボードは2つの区分に分けることができ、加入する保険も異なります。
また、保険には自賠責保険と任意保険という2種類があります。
それぞれの保険について解説していきます。
自賠責保険(強制保険)
自賠責保険保険は強制保険とも言われ公道を走るナンバープレートが付いている乗り物は
すべての車両が必ず加入しなければなりません。
違反した場合は、「1年以下の懲役または、50万円以下の罰金」が課せられます。
自賠責保険は、他人に対して保障する保険。
物を壊したり、自分のケガに対しては、補償してくれません。
2種類の自賠責保険
上記で説明したとうり電動キックボードの自賠責保険は2つ分けることができます。
まずは、従来の原付自転車に該当する自賠責保険の場合
【補償内容】
死亡による損害を与えてしまった場合 ▶︎ 3,000万円(最高で)
傷害による損害を与えてしまった場合 ▶︎ 120万円(最高で)
後遺障害による損害を与えてしまった場合 ▶︎ 4000万円(常時介護の時、最高で)
上記を超える損害をあてえてしまった場合、不足金額は自分で負担しなければなりません。

例えば、「キックボードを運転中に歩行者と接触し、そのはずみで歩行者が転倒、
転倒したさい頭を強く打って相手を死亡させてしまった」という時、
場合によっては、何億円という損害賠償が請求されることがあります。
自賠責保険は相手を死亡させた場合、最高で3000万円なので不足金額は
自分で払わなければなりません。
・保険料
保険料は、長期契約するほど1年あたりの金額が安くなるようになっています。
保険期間 | 12か月 | 24か月 | 36か月 | 48か月 | 60か月 |
保険料 | 6,910円 | 8,560円 | 10,170円 | 11,760円 | 13,310円 |
新しく儲けられた特定小型原動機付自転車の場合
【補償内容】
死亡による損害を与えてしまった場合 ▶︎ 3,000万円(最高で)
傷害による損害を与えてしまった場合 ▶︎ 120万円(最高で)
後遺障害による損害を与えてしまった場合 ▶︎ 4000万円(常時介護の時、最高で)
補償内容は原付自転車と同じになります。
・保険料
保険期間 | 12か月 | 24か月 | 36か月 | 48か月 | 60か月 |
保険料 | 6,650円 | 8,040円 | 9,400円 | 10,740円 | 12,040円 |
保険料は原付自転車より、少し安くなります。
また、長期契約するほど1年あたりの金額が安くなるようになっています。
長期加入がお得!
自賠責保険は、保険期間が残っていれば解約手続きを行うことで前払いした保険料が返金される
ので、加入する時は長期契約をおすすめします。
任意保険
自賠責保険は補償限度額が相手が死亡した場合でも最高3,000万円と低く、いざ事故を起こした時に何億円という損害賠償が請求されることがあります。
こうなると不足分を自分で支払わなければなりません。
こんな時のために、任意保険という保険があります。
任意保険は自賠責保険の補償限度額を超えてしまった損害賠償の部分を補償してくれる保険です。
また、任意保険には相手の補償だけでなく自分に対するケガの補償もしてくれる保険があります。

自賠責保険と任意保険は、何がちがうの?
まず、自賠責保険は、他人(事故の相手)に対する補償のみで、物に対する補償や自分に対する
ケガなどの補償はしてくれません。

例えば、道路上の看板に接触して破損してしまい、その時自分も転倒してケガをしてしまった。
こんな場合、看板も自分のケガも自賠責保険では補償してくれません。
任意保険に加入していれば、こんな時に補償してくれます。
任意保険は、新規加入・ファミリーバイク特約のどちらかで契約することが出来ます。
新規加入
任意保険は自賠責保険とは異なり、誰もが同じ内容で加入するわけではありません。
自分の好みによって選ぶことが可能です。
具体的には以下の表のようになります。
基本項目 | 詳細 | 加入の選択 |
対人賠償 | 被害者のケガに対する保険 | 必ず加入 |
対物賠償 | 被害者の財産に対する保険 | 必ず加入 |
搭乗者傷害 | 乗っている人、全てに対する保険 | 保険会社により異なる |
自損事故 | 単独事故でのケガを補償 | 保険会社により異なる |
無保険車傷害 | 相手方が保険非加入、当て逃げ時の補償 | 保険会社により異なる |
上記の他に、各保険会社ごとにセットで加入できる特約などもあります。
また、任意保険が自賠責保険と異なる最も大きな点は「等級」という制度があるところ。
最初の加入時は6等級からスタートし、1年間無事故で過ごせば1つずつ等級があがり、最大20等級となります。
逆に保険を使うと翌年の等級は1〜3ランク下がる、という仕組み(保険を使っても等級が下がらない「ノーカウント事故」)というものもある。
等級は保険料に大きく影響します。
等級は高いほど割引率は大きく最大で63%の割引。
逆に1~3等級の低い等級などは、割引どころか最大64%の割増となる。
つまり、安全なドライバーほど保険料が優遇される仕組みなのです。
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ファミリーバイク特約

本人または家族の誰かが自動車保険に加入していることで、特約の形で加入できる保険。
補償の対象は、自動車保険の記名被保険者、記名被保険者の配偶者、記名被保険者または配偶者の同居の家族など。
- 補償範囲
基本項目 | 詳細 |
対人賠償 | 被害者のケガに対する保険 |
対物賠償 | 被害者の財産に対する保険 |
自損事故 | 単独事故でのケガを補償 |
- ファミリーバイク特約には、大きく分けて2種類の制度があります
自損事故タイプ
自分自身のケガの補償が、単独事故(自損事故)の場合のみに補償されるタイプです。
人身傷害タイプ
単独事故だけでなく、相手のある事故の場合にも補償されます。
人身傷害タイプのほうが補償は手厚くなる分、保険料がアップします。
ファミリーバイク特約は保険料が安く済む傾向にあり、保険料に年齢の影響を受けないこと、保険を使っても等級に影響がないことなどがメリットがあります。
ファミリーバイク特約のメリット

・バイク保険よりも掛け金が安い傾向にある
現在入っている自動車保険の年齢条件や等級にもよりますが、新規加入するよりも保険料を安く抑えられる傾向にあります。
・保険を使っても等級が下がらない
通常、事故で保険を使うと等級が下がり、翌年の保険料が上がってしまします。
ファミリーバイク特約では、保険を使用しても等級が下がることはありませんので、
気兼ねなく保険を使用して対応することができます。
・年齢による影響を受けない
バイク保険の保険料には記名被保険者(=主な運転者)の年齢も影響します。
ファミリーバイク特約には年齢制限がありませんので、
主契約の自動車保険に年齢制限を設けていたとしても、ファミリーバイク特約の年齢制限には影響ありません。
高校生や大学生が記名被保険者である場合も保険の対象となります。
・ひとつの特約で家族全員分をカバーできる
ファミリーバイク特約はひとつの特約で家族全員分をカバーできます。
家族内で高校生や大学生が乗るような場合も、父の自動車保険でファミリーバイク特約を
付帯していれば問題ありません。
そして複数台あっても保険料に影響はない。これもファミリーバイク特約のメリットです。
まとめ
自賠責保険の補償範囲は、他人のケガ
任意保険の補償範囲は、他人のケガ、他人のモノ、そして自分のケガ
昔から「転ばぬ先の杖」ということわざがあるように、万が一の事故に備えて
適切な保険に加入しておくことが大切です。
自賠責保険と同時に任意保険に加入することをおすすめします。
ファミリーバイク特約は、保険料が安くなる傾向がありますが、
あくまでも、現在自動車保険に加入していることが条件なので、そこは要注意してください。
購入を検討されている方は、こちらも参考に
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