クロスバイクのリアギア(スプロケット)やフロントギアを歯数の違うギアに変えたり、リアディレイラーが壊れた為に交換する時に注意が必要なのが、トータルキャパシティーと言われるリアディレイラーの適応範囲。
リアディレイラーには3つの種類があり、使うギアの歯数に応じたリアディレイラーを選択する必要があります。
今回はトータルキャパシティーの計算方法とディレイラーの種類について解説します。
✅フロント、リアのギアの歯数を変えようという方
✅リアディレイラーを交換しようという方
参考にしてください
自分も実際にフロント、リアのギアをシングルギアから24段ギアの交換しました。
少しややこしい点がありますが、なるべく分かりやすく解説しますので、しっかりと理解して正しいディレイラーを選びましょう。
SS(小ゲージ)とGS(中ゲージ)SGS(長ゲージ)って?
冒頭で解説したとうり、リアディレイラーには3つの種類があります。
この違いはディレイラーのゲージの長さの違いで、写真のというりリアディレイラーの案内プーリーと張りプーリーの芯間距離の違いです。
リアディレイラーの役割はチェーンを適切なギアの位置に移動させて、チェーンの張りを調整することです。
ゲージの長さが大きいほど、チェーンの張りの調整幅が大きくなるというこになります。
なので、大きいギアにはゲージの長いディレイラー、小さいギアにはゲージ短いディレイラーが必要になるということです。
フロントギアとリアギアの歯数の確認
リアディレイラーを選ぶには、フロントギアの歯数とリアギアの歯数の確認が必要です。
押さえるポイントは3つ
✅トータルキャパシティ
✅リアギア(スプロケット)の最小歯数と最大歯数
✅フロントギアの最大歯数
この3点が分かることでリアディレイラーを選ぶことができます。
✔トータルキャパシティーって?
キャパシティとは容量や能力のこと、ギアを変速した時のフロントギアとリアギアの歯車の大きさの違いによって生じたチェーンの張り調整幅のことを言います。
なので、「フロントギアとリアギアのトータルギア数のキャパ」ということで、トータルキャパシティです。
また、トータルキャパシティは計算式で算出することができ、
「フロントギアの最小・最大歯数差+リアギアの最大・最小歯数差」
によって算出することができます。
これから説明することは簡単、3つの引き算と足し算です。
フロントとリアの引き算をして、答えを足し算するだけです。
フロントギアの歯数計算?
フロントギアの歯数差は「インナーリング(一番大きいギア)-アウターリング(一番小さいギア)=歯数差」です。
たとえば、私が交換した写真のようなフロントギアはアウターリングが48T・インナーリングが28Tのフロントギアです。
なので、「48-28=20T」となります。
ちなみに「T」とは「teeth」のことで歯数の意味です。
また、現物で確認する場合はギアにそれぞれ刻印があります。
リアギア(スプロケット)の歯数計算?
フロント同様に「インナーリング(一番大きいギア)-アウターリング(一番小さいギア)=歯数差」になりますので、写真はシマノの ALTUS/アルタス カセットスプロケット CS-HG51-8 11-28T 8スピードですがアウターリングが28Tでインナーリングが11Tなので「28-11=17T」となります。
分からない時はギアに刻印が打ってありますので確認できます。
トータルキャパシティーの計算
トータルキャパシティーの計算は「フロントギアの歯数差+リアギア(スプロケット)の歯数差」です。
上記のギアの場合は、
フロントギアの歯数差20T+リアギアの歯数差17T=37T
となります。
リアディレイラーを選ぶ
ギアの歯数やトータルキャパシティーの数字が確認できれば、使用するリアディレイラーを選ぶことができます。
ディレーラーは上記で解説したように3種類あります。
リアディレイラーの情報で確認する4点
✅トータルキャパシティ
✅リアギア(スプロケット)最小ギアの適応範囲
✅リアギア(スプロケット)最大ギアの適応範囲
✅フロントギアの歯数差
例えばシマノ(SHIMANO) リアディレイラー(MTB) RD-M310-L ブラック 7/8スピード対応 直付タイプの場合、メーカー説明では
変速性能
・最大フロントギア歯数差 :20T
・最大ロースプロケット:34T
・最小トップスプロケット:11T
・キャパシティ:43T
となっています。
これと上記で算出した数字を照らし合わせると
適応範囲 | ギアの数値 | |
最大フロントギア | 20T | 20T |
最大ロースプロケット | 28T ~34T | 28T |
最小トップスプロケット | 11T~ 14T | 11T |
キャパシティ | 43T | 37T |
となるので適応範囲となります。
ディレイラーの変速性能はメーカーサイトで確認することができます。
シマノメーカーサイト
ちなみに今回使用したリアディレイラーはシマノ(SHIMANO) リアディレイラー(MTB) RD-M310-L ブラックです。
クロスバイクで定番のアルタスシリーズのディレイラーです。
シマノのディレイラーの種類
シマノのリアディレイラーにはいくつかのグレードがあり、メーカーサイトでは分かりやすくロード、グラベル、MTB、LIFESTYLEにカテゴリー分けされています。
その中のLIFESTYLEはサイクリング向けに推奨するカテゴリーでクロスバイク向けと言っていいと思います。LIFESTYLEのディレイラーには、TOURNEY、 ALIVIO、ACERA 、ALTUSなどのグレードがあり、このグレードの違いは性能の違いもありますが、リアギア(スプロケット)のギアの枚数によって違いがあるようです。
シマノ・LIFESTYLEコンポーネント 変速段数
ギア段数 | |
TOURNEYA070 | 7 |
ALIVIO | 9 |
ACERA | 9 |
ALTUS | 7/8 |
TOURNEYTX | 7/8 |
TOURNEY TY | 6/7 |
TOURNEYTZ | 6 |
シマノには他にもハイグレードの11段用や10段用のディレイラーのありますが、グレード上になるほど軽さや剛性、耐久性が高まる傾向にあります。
性能の違いもありますがギアの枚数が増えると繊細な動きが必要、すなわち性能の高さが必要ということにもなります。
リアディレイラーは性能で選ぶというより、ギアの枚数である程度グレードが決まると言っていいでしょう。
また、整備やフレームの精度によって左右される部分もあり、一概にグレードで性能が変わるとも言い切れません。
クロスバイクは大半が8段ギアを使用しているので、必然的にALTUSやTOURNEYTXとなります。
結局のところ、サイクリングや普段使いであればグレードはあまり考えなくても良さそうです。
購入時はリアギア(スプロケット)のギア段数だけは、間違わないように気を付けましょう。
2つのディレイラーに適合する時の選び方
ディレイラーには適合範囲がありますので、時にはSSとGS2つのディレイラーに適合することもあります。
その時は、後で大きいギアを付ける予定がなければショートゲージを選ぶようにしましょう。
ロングゲージには4つのデメリットがあるからです。
・変速レスポンスが悪くなる
・チェーンが暴れる
・ショートケージより重い
・地面とのクリアランスが取れない場合がある。
まとめ
ほとんどのクロスバイクに付いているディレーラーはSS(ショートゲージ)タイプだと思います。
確認方法はディレイラー裏の刻印で見ることができます。
基本的にはレスポンスの良いSS(ショートゲージ)を使った方が良さそうですが、「坂道が苦手」などの理由からリアをワイドレシオにしたり、フロントをトリプルにするなど、ギアの組み合わせによってはロングゲージになりますが、何よりも適切なディレイラーを選ぶことが大切です。
自分にあったギアの組み合わせと適合したディレイラーを選び、快適なライドを楽しみましょう。
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